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 ⼀般社団法⼈ ナスコンバレー協議会は10月12日、国内最大規模のリビングラボ「ナスコンバレー」の1周年を機に「ナスコンバレーサミット2022」を開催した。ナスコンバレー会員企業の約20社が取り組んだプロジェクトの取り組みについて説明した。

ナスコンバレーのイメージ

ナスコンバレーのイメージ

 ナスコンバレー協議会は、2021年10月1日に、社会課題を解決し、思い描いた未来を実現していくためのイノベーションを社会実装する国内最大規模のリビングラボとしてスタート。東京ドーム170個分の広大な私有地をいかし、次世代モビリティやドローン、遠隔医療、ウェルビーイングなど、さまざまな実証実験に取り組めることが特徴だ。

 ナスコンバレー協議会 代表理事の井上⾼志氏(LIFULL 代表取締役社⻑)は「そもそもこのプロジェクトをやりたいと思ったきっかけは、1社で理想とする未来の社会を作るのは困難だと感じたから。中国では北京郊外に巨大な未来都市を造り、ドバイでは火星移住計画が進んでいると言われるなか、足もとの日本には何が必要なのか。それは『Well-being』だと思う。みんなの幸福を望む、そういう社会を作る場所を作りたいと思い、探しだしたのが那須だった」とナスコンバレーの背景を説明した。

代表理事の井上⾼志氏(LIFULL 代表取締役社⻑)
代表理事の井上⾼志氏(LIFULL 代表取締役社⻑)

 現在、ナスコンバレーで推進中または推進予定のプロジェクトは「ドローン配送」「Well-Being Tech」「CNCルーターによる建築の民主化」「オフグリッドTech」「空気で膨らませて作る次世代居住空間」「24時間で完成する3Dプリンターハウス」など多種多様なジャンルに渡る。

 ナスコンバレーは、東京ドーム170個分の広⼤な私有地。「日本はイノベーションに取り組もうとすると規制、法律、手続きなどが複雑で、やりづらい。これを早くできるようにするため、ナスコンバレーは『私有地』であることが重要だった。イノベーションを起こすことは、結果としてWell-beingな社会を作るということ。それを実現するために必要なのは、パートナーシップやコミュニティ。イノベーションを持って、Well-being、コミュニティを作り、実現していきたい」(井上氏)と実証実験をスムーズに進める仕組みが整っていることを強調した。

 理事を務める巽⼀久氏(⽇本駐⾞場開発 代表取締役社⻑)は、「広い場所を使い、可能性を追求していただけたらうれしい。ここは私たちが作ったわけではなく、事業継承してもらい、栃木県からチャンスをいただいた場所。ナスコンバレーで成功事例が生まれたら、日本がよくなるように各地におすそ分けしていきたい」とコメント。同じく理事の鉢嶺登氏(デジタルシフト 取締役会⻑)は「テレワークの時代になったので、那須をワーケーションの場としてきてほしいが、その時に那須全体を見ていってほしい。シャッター街となっていた街が若者が集う場として復活を遂げ、新しいショップもオープンし、平日にもかかわらず人が来るようになっている。仕事をして帰るだけではなく、那須全体を体感し、面白いと何度も足を運んでもらえる場所になってほしい」と那須について話した。

 また、理事の留目真伸氏(SUNDRED 代表取締役)は「今求められている新しい産業は、大量生産ではなく、Well-being。そんな産業にしていかなければいけないが、1社ではできない領域になっている。思いをぶつけ合い、持っているアセットの使えるもの同士をつなぎあわせ、理想の姿を実現していく。それがまさにナスコンバレーが実現しようとしているところ。この1年を振り返るとうまくいったこともあれば、改善しなければいけないところもある。2年目のナスコンバレーにご期待いただきながら、ぜひ活発に参加していただきたい」と1年を振り返った。

左から、代表理事の井上⾼志氏、理事の巽⼀久氏、留⽬真伸氏、鉢嶺登氏
左から、代表理事の井上⾼志氏、理事の巽⼀久氏、留⽬真伸氏、鉢嶺登氏

那須地域の自治体とも連携、官民共創の場へ

 各種プログラムは、ナスコンバレーを実証実験のフィールドとして活用できるほか、栃⽊県那須町、那須塩原市、⼤⽥原市の⾃治体との連携も可能。那須地域での実装に向けた取り組みも進める。

 那須地域について、那須町⻑の平⼭幸宏氏は「那須町は皇室が静養される御用邸があることから、ロイヤルリゾート那須として知られている。リモートワークが広がる昨今では、仕事とレジャーを両立しながら新たなコミュニティを形成する場としても最適なエリアだと思う」とコメント。那須塩原市⻑の渡辺美知太郎氏も「私自身は東京出身だが、那須塩原は最高で、東京に住もうとは思えない(笑)。移住者の方も増えているので、興味のある人は移住でも二拠点居住でも、ぜひきていただきたい」と後押しした。

 DX、スマート化にも力を入れ、「自治体として新しい動きに迅速に対応できるようデジタル推進係を新設している」(平⼭氏)、「公民館に行けば市役所にいかなくてもすむようなスマート公民館の実証実験をしている」(渡辺氏)などにも積極的に取り組む地域だ。

 ナスコンバレーとの連携については「那須の抱える課題の解決を目指し、実証実験など新事業が動き出していると聞いている。那須町に新たな交流を生み出し、ビジネス機会の創出や先進的な取り組みがなされ、那須エリアの新たな魅力につながること、官民共創の場となることを期待している」(平山氏)と意欲を見せる。

 また、大田原市長の相馬憲一氏は「ナスコンバレーは那須地域を舞台にドローン活用や次世代ハウジングなど、未来社会の実証実験が行われ、持続可能社会を実現するため有意義なものだと思っている。一方で大田原市は人口減少や少子高齢化、災害の激甚化など、取り巻く環境は経験したことがないスピードで変化している。リビングラボが、民間事業者の誘引とイノベーションの場となり、さらに充実した活動に取り組むことを期待している」と大田原副市長の高橋一成氏の代読を通してコメントした。

左から、那須町⻑の平⼭幸宏氏、那須塩原市⻑の渡辺美知太郎氏、⼤⽥原市副市⻑の⾼橋⼀成氏
左から、那須町⻑の平⼭幸宏氏、那須塩原市⻑の渡辺美知太郎氏、⼤⽥原市副市⻑の⾼橋⼀成氏

 会場では、「NASUCON MEMBERs On STAGE!」として、ナスコンバレーの会員企業が取り組んできた実証実験などのプロジェクト報告会も実施。下記企業が参加した。

  • 博報堂 ミライの事業室
  • U3イノベーションズ
  • LIFULL ArchiTech
  • LIFULL
  • VUILD
  • WOTA
  • SOMPO Light Vortex
  • 住友⽣命保険
  • 国⽴研究開発法⼈宇宙航空研究開発機構(JAXA)
  • ⼀般社団法⼈One Smile Foundation
  • fly
  • SyncMOF
ナスコンバレーの実証フィールドを使った、築古の別荘をデジタル技術で再生し、貸別荘として不動産のバリューアップを図るプロジェクトである「組み立て式のサウナユニット」。LIFULLとVUILDと共同開発によるもの
ナスコンバレーの実証フィールドを使った、築古の別荘をデジタル技術で再生し、貸別荘として不動産のバリューアップを図るプロジェクトである「組み立て式のサウナユニット」。LIFULLとVUILDと共同開発によるもの
「NASUCON MEMBERs On STAGE!」では、各社が取り組んできた実証実験などのプロジェクトを報告した
「NASUCON MEMBERs On STAGE!」では、各社が取り組んできた実証実験などのプロジェクトを報告した

 井上氏は「現在、廃校になった小学校を、ナスコンバレーの実験ラボとして使わせてもらえるよう話を進めている。グラウンドや教室に機材を運び込み、活用していきたい。今回のようなサミットは春と秋の年2回実施していく予定で、2023年も4月に開催したいと思っている」と今後について話した。

国内最大規模のリビングラボ「ナスコンバレー」が1周年–実証実験、共創の場として存在感

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